今日は曇りの予報だったのに、突然どしゃぶりになりました。
お濡れになりませんででしょうか?
それにしても梅雨明け前にしてこの暑さ…暑さが苦手な私は夏が思いやられます…。(>_<)
ヨーロッパのメーカーの食器にパン皿がないことをご存知でしょうか?
『パン皿がない?パンは食べないの?』
いいえ、もちろん食べます。家庭でもレストランでも
パンはディナー皿の左上、テーブルクロスの上に直に置くのです。
お料理にバターがたっぷり使われているので、食事用のパンにはバターを付けません。
ですのでパン皿は必要なく、レストランでは
散らばったパンくずはデザートの前に、給仕人が食卓用の”塵取り”で片づけてくれます。
家庭では食事が終わるとパンくずはテーブルクロスに包んで片づけ、
キッチンや外でふるって落とします。
テーブルクロスは食事の時だけかけるもの。つまり食器の一部と考えられているのです。
↑日本では、ライスという選択肢もあり、パン皿を置くのが普通ですよね。
ヨーロッパで主婦に対する贈り物として、
間違いなく喜ばれるものはテーブルクロスだと言われていました。
それもナフキンとのセットというのがお約束です。
たいていの主婦は専用の箪笥を持っていて、色柄が様々なテーブルクロス、
ナフキン、テーブルマットなどをたくさん揃え、
それでもなお飽くことなくクロス類の収集に情熱を燃やし続けます。
↑『食卓の美学セミナー』でお見せしたエレアカのテーブルリネンの色々。
1/3はオーダーあるいは手作りです。
私が留学中にお世話になりましたマダム・ルチエはフランス家庭婦人のお手本のような方。
もちろんテーブルリネン用のキャビネットお持ちで、ある時私に
『これは、私が刺繍してお嫁入りの時もってきたもの。これは母から受け継いだもの…。』と
ひとつひとつを説明をしてくださいました。その幸せに満ちたお顔が忘れられません。
↑エレアカリネンクローゼット。中表に畳んで、色別に収納。
上段は青~紫、中段は黄色~緑、下段はピンク~赤~茶。
本当は3倍ぐらいあるのですが、よく使うものだけこちらに入れています。
テーブルクロスがお好き…と言うだけではありません。
家族の誕生、夫の昇進お祝い、娘の結婚式…
様々なもてなしの場面を彩ってきたテーブルリネン、
それを見るとその時の幸せな感情が胸によみがえってくるのでしょう。
母もそうでした。一枚一枚いとおしそうに説明する母の様子が、目に浮かぶようです。
↑ひとつ前の写真の上の段は刺繍、レースのものを収納。一番上にはティーコーゼが。
左は小物やテーブルマット、アンダークロス。普段はアイロンもここに収納しています。
リネンクローゼットをお見せしたついでに、ナフキン類の収納も。
↑やはり色別に収納しています。ほとんど麻100%。
使用後お洗濯して乾いたら、四つ折りを更に二つ折りにして引き出しに。
使用前にアイロンがけをし、ナフキンワークをします。
↑はレースや刺繍のものはアイロンをかけて平置きに。
左のスペースにはドイリーやカクテルナフキン。
『ヨーロッパ夫人のテーブルリネンの愛し方』、いかがでしたでしょうか?
エレアカの収納も含めて、ご参考にしていただけましたら、幸いです。
エレガントライフアカデミー代表
原田 章子 Harada Shoko
福岡市に生まれる。福岡雙葉小学校、中学校、高等学校卒業。白百合女子大学文学部、国文学科卒業。
90年代よりテーブルアートを志し、フランス留学。料理学校『コルドン・ブルー』、『リッツ・エスコフィエ』で料理と製菓を学ぶ。公爵夫人マリー・ブランシュ・ドゥ・ブロイユに師事し、フランス食文化史を学ぶ。パリの生花店『コム・オ・ジャルダン』で修業。その後も定期的に渡仏し、同店で研修を受ける。
2015年、母、原田治子逝去に際し、エレガントライフアカデミーの代表に就任。当Blogの執筆も手掛ける。