朝日を纏うと格別に輝きます。
お花を生ける前や途中、生けた直後はいつも自信がなくて、
「う~ん。これでいいかな?綺麗かな?バランス悪くないかな?」という感じ。
でもお夕飯の支度も、お片付けも、ブログもあるので、そのまま寝て、
翌朝ドキドキしながら、前日生けたお花に逢いに行くと・・・
「あら、まあキレイ」
夜の間に妖精が、生けかえてくれたのかしら?と思うほど!
もちろんそんなことはないのでしょうけれど、一晩で見違えるほど綺麗になるのも、
ここまでの『お花の旅』を思えば当然かもしれません。
ご機嫌よく咲いていたところを切られ、縛られ、箱に入れて、輸送され。さらに
(市場で)売られ買われて、お店に並べられ、さらに買われて、我が家にやってきたのです
生けた直後は疲れていても無理はありません…。
一晩、静かに寝て、お水をたくさん飲んで、朝日を浴びれば、「うん、大丈夫。」
母がいつも、申しておりました。
「もし、お花のお母さんがいたら、自分の子供がちゃんと食べているかとても心配なはず。
『ああ、いいところに行って良かった。』と思うように、
生けた後も、毎日きちんとお水をあげてね。」
大変な思いをしてやってきてくれたお花たち、できだけ綺麗に、
できるだけ長生きさせてあげたいです。
そして多くの人たちに見ていただいて、たくさん「綺麗ね、素敵ね。」と言われたら、
「ああ、生まれてきて良かった。」と思うのではないかしら?
お花はとても優しい存在。私たちの隣で黙って微笑み、一緒に泣いて、なぐさめ、励まし、
最後に命をまるごとくれて、枯れていきます。処分するときは心が痛みます・・・。
造花やプリザーブドは枯れないけれど、
“命のかけがえのなさ”を教えてくれる生のお花が、わたしは一番好きです。
エレガントライフアカデミー代表
原田 章子 Harada Shoko
福岡市に生まれる。福岡雙葉小学校、中学校、高等学校卒業。白百合女子大学文学部、国文学科卒業。
90年代よりテーブルアートを志し、フランス留学。料理学校『コルドン・ブルー』、『リッツ・エスコフィエ』で料理と製菓を学ぶ。公爵夫人マリー・ブランシュ・ドゥ・ブロイユに師事し、フランス食文化史を学ぶ。パリの生花店『コム・オ・ジャルダン』で修業。その後も定期的に渡仏し、同店で研修を受ける。
2015年、母、原田治子逝去に際し、エレガントライフアカデミーの代表に就任。当Blogの執筆も手掛ける。