2016.8.21

『穴あきバケツ』のお話しと”何にも持っていないけど、なんでも持っている人。”

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銅で笑って、銀で涙…。

銀メダルは決勝戦で負けて、銅メダルは三位決定戦で勝って、ということもありますが、

自己評価が高いと幸せは得にくいのかもしれません。人生複雑ですね。

 

わたくしなどは幼い時から、ないないづくしのないづくし。勉強も図工も音楽も、

何をやっても姉に勝てるものはなく(年の差があるわけですから当たり前なのですが…)、

学校やコンクールなどでも賞をいただいたためしがありません。

努力に努力を重ねてなんとか大学に滑り込み、両親のおかげで留学などさせてもらいましたが、

その恩に報いるほどの何かができたわけでなく…。

唯一の自慢”母”も亡くして、いよいよ何もなくなりました。夫も子供もないしね。

でもね、そう、それがわたくしの財産かな?と思うのです。

 

『何にも持っていないけど、なんでも持っている人。』それが昔からわたくしの理想像。

初めの『何にも』は、才能や宝石や美貌や権力など、多くの人が目指すもの。

後の『なんでも』は、自慢になるほどではないけれど得意なこととか、

幸せを感じる感性とか…。例えば、

努力が苦にならないこと、謙虚であること、

相手の美点をみつけるのが得意であること、工夫するのが好きなこと、

人の笑顔で自分も幸せになれること、

お天気が良い・お花が咲いた・風が気持ちよい…そんなことで幸せになれること、

きっと最後は上手くいくと信じられること…。

 

わたくしが↑のような人というわけではありませんが、でも理想です。

母のような人にとっては、謙虚でいることは難しかったと思います。

それでも一生の目標としていました。エライですよね。

かくいうわたくしも何にもないといいつ、

母の残してくれたお教室と、素敵な生徒様方は自慢です。

世の中、素敵な先生はたくさんいらっしゃるけれど、

エレアカほど生徒様が素敵なお教室はどこにもないと思うの!

でも素敵過ぎて生徒様がストーカー被害にあってはいけないので、

トップページのカレンダーでのお教室日公開はしない方向でいきたいと思います。

お教室日はお電話か、メールで個人的にお尋ねください。

 

さて母の蔵書を読んでいて、素敵なお話しに出会ったので要約してお話ししたいと思います。

インドのお話し。ある男性が川から主人の家まで両手にバケツを下げて、

水を運ぶ仕事をしていました。しかし左手に持ったバケツには穴が開いていて、

主人の家についたとき、右のバケツの水は満杯のままですが、

左の水は半分にへっているのが常でした。

あるとき川から主人の家までの道をたどりながら、穴が開いているバケツが男性に言いました。

『役立たずの私のせいで、あなたの努力が報われません。ゴメンナサイ。』

男性は道の先を見ながら言いました。

『見てごらん。どちら側に花が咲いているだろう。』

穴あきバケツがいつも下げられている左側にだけ、ずっ~と先まで緑が茂り、

花が咲いていたのです!

『水を運ぶ仕事は単調で楽しいとは言えない。

でもお前のおかげで毎日この道を通るのが、どれだけ喜ばしいものになったことか。

お前は役立たずじゃないよ。花を咲かせて私を喜ばせ、

更にご主人のために水を半分も運ぶんだから。』

こんな自分だから出来たことがあるということに、穴あきバケツは喜んだのでした。



http://tebamaruda.blog.so-net.ne.jp/2012-06-26




私たちみんな穴あきバケツかもしれません。

頑張っても努力しても目指したことの半分しか成し遂げられないこともある。

でもそのかわり、思ってもみない大きな仕事を出来ているかも知れないのです。

穴あきバケツである自分のことを認めてあげましょう。

そしてひとの穴にも寛大に。

それだからこそ得られる成果を見つけて、教えてあげれるといいですね。

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Writer


エレガントライフアカデミー代表
原田 章子 Harada Shoko


福岡市に生まれる。福岡雙葉小学校、中学校、高等学校卒業。白百合女子大学文学部、国文学科卒業。

90年代よりテーブルアートを志し、フランス留学。料理学校『コルドン・ブルー』、『リッツ・エスコフィエ』で料理と製菓を学ぶ。公爵夫人マリー・ブランシュ・ドゥ・ブロイユに師事し、フランス食文化史を学ぶ。パリの生花店『コム・オ・ジャルダン』で修業。その後も定期的に渡仏し、同店で研修を受ける。

2015年、母、原田治子逝去に際し、エレガントライフアカデミーの代表に就任。当Blogの執筆も手掛ける。