3月の『おもてなし教室』はもてなされる側の心遣いがテーマでした。
最近はお食事も会合、面会も、飲食店や会議室などを利用するので、
どなたかの自宅に招かれることが少なくなっておりますが、
かといって一生でまったくないわけでもないでしょう。
いざという時戸惑わないために、一応のことは知っておく必要があります。
まずお招きを受けたら、お返事ははっきりすること。
招く側は人数を調整したいかもしれないので、「行けたら、行きます。」は一番迷惑。
すぐにお返事できない場合は、「いついつまでに、お返事させていただいてよろしいですか?」
というように答え、わかり次第速やかにお返事します。
欠席の場合は具体的な理由をお話しすると、誤解をまねかずに済みます。
当日は時間に余裕をもって出かけます。個人宅はわかりにくいこともあるので、
初めてうかがう場合は前もって下見して置くとベター。
運転で行く場合は駐車スペースの確認もしておきましょう。
チャイムを鳴らすタイミングは、お約束の時間ぴったりか、2~3分遅らせます。
お招き前の主婦はそれはそれは忙しいもの。時間前にチャイムを鳴らすのは避けます。
早めに着いてしまったら、車の中かまたは軒下でお待ちしましょう。
遅くなる場合は、『○○な理由で▽分程度遅れそうです。申し訳ありません。』と
お電話を入れます。連絡なしに遅れられると、
その時間ずっと緊張しながら待たねばなりませんのでイライラしますが、
到着までの時間がわかれば、主婦はその時間を有効活用できるので、
不満に感じません。
服装は、相手への敬意の表現としてきちんとしたものを。
約束して会った場合、身に着けているものは、相手への評価と受け取られますので、
お洒落のつもりでもジーンズ、Tシャツ、ジャンバーなどでは失礼です。
スーツやセットアップまたはワンピース(+ジャケット)などが良いでしょう。
固くなりすぎないように、スカーフやブローチなどのアクセサリーで
自己表現をします。
品の良いコートも格をあげてくれますので、30歳を過ぎたらぜひ持っておくべき。
好きな服を着ていいのは学生までです。
社会人となったら、服装は円滑な人間関係を作るためのツールと心得ましょう。
トイレは訪問前に済ませておき、訪問直後にお借りすることがないように。
また、お食事のお招きだとしても、あまり空腹でいくとガツガツしてしまうかもしれないので、
バナナ一本あるいは卵一個などお腹に入れておくと良いかもしれません。
基本は自分だったら…と考えて、迷惑なことをしない、こうしてほしいと思うことをすることです。
自己主張ばかりで相手の気持ちを考えないのは幼稚なこと。
自宅に招いてくださった方に感謝と謙遜な気持ちをもって、ご訪問して下さいね。
きっとまた招きたいな、と思ってくださいますよ。
エレガントライフアカデミー代表
原田 章子 Harada Shoko
福岡市に生まれる。福岡雙葉小学校、中学校、高等学校卒業。白百合女子大学文学部、国文学科卒業。
90年代よりテーブルアートを志し、フランス留学。料理学校『コルドン・ブルー』、『リッツ・エスコフィエ』で料理と製菓を学ぶ。公爵夫人マリー・ブランシュ・ドゥ・ブロイユに師事し、フランス食文化史を学ぶ。パリの生花店『コム・オ・ジャルダン』で修業。その後も定期的に渡仏し、同店で研修を受ける。
2015年、母、原田治子逝去に際し、エレガントライフアカデミーの代表に就任。当Blogの執筆も手掛ける。