2016.2.27

エリゼ宮を彩る、リモージュ焼きの名門アビランド社 『ユージニー』。

ついこの間2月に入ったと思ったら、もう終わり。二月は逃げるとはよく言ったものです。

ぎりぎりになりましたが、今月皆様に是非ご紹介したいのは、アビランド『ユージニー』





アビラント社は1942年、ニューヨークの貿易商ダビッド・アビランドによって、

フランスのリモージュに設立されました。10数年でヨーロッパ屈指の規模に発展を遂げ、

リモージュ焼きの名門という地位を築きます。

 

そして、19世紀後半から20世紀初頭、ナポレオン3世下でパリが華やかな変貌を遂げた頃。

皇妃ユージニーが自身の愛する花、スミレのモチーフの食器を注文し、

アビランド社デザイナーが、当時一世を風靡していたアール・ヌーボー様式を取り入れ、

1901年に完成したのが、『ユージニー』です。





ユージニーは生涯この食器を愛し、一世紀以上たった今なお、そのスミレは美しく咲き続け、

エリゼ宮で国賓のもてなしに使用されるテーブルウェアの中の、

唯一のリモージュ焼きとしても知られています。(他はすべて国営釜であるセーブル製。)

 

エレアカでは例年、テーブルコーディネート教室で二月の食器としてご披露。

おもてなし教室ではクレープシュゼットを供するのに使っておりましたが、

今年はお料理教室で初めてお料理を盛り付けてみました。

清潔感のある白地に青みの強いスミレの柄…、お料理も良く映えますね。

 

さてこの『ユージニー』、映画にも登場しています。『バベットの晩餐会』

デンマーク映画です。





デンマークの片田舎の半島で、清貧に暮らす牧師とその娘姉妹のところに、

フランスから亡命してきた女性、バベットがやって来きます。

十数年を家政婦として下働きを続けたバベットでしたが、あるとき思いがけず、

気慰みに購入していた宝くじが当たり、そのお金で、長い間素性も聞かず、

自分をおいてくれた牧師一家に恩返しをするため、晩餐会を催すことを思いつきます。

その晩餐会のため、バベットが購入するのがアビランド『ユージニー』。

実はバベットはかつてパリの有名レストランのシェフだったのです…。





母は食卓演出家としての仕事を始めて間もないころ、この映画に出会い、

感激して涙が止まらなかったそうです。

一夜のもてなしにすべてをささげるバベットの心意気や、

そのもてなしによってみんなの心がほぐれていく様子など、母のもてなしの対する想いと

合致するところが多かったのでしょう。

 

母の流した涙と愛した食器。わたくしにとっても大切な存在です。





※エレアカでは食器の販売は致しておりません。

アビンンド『ユージニー』を購入ご希望の方のコチラ↓





アビランド アンペラトリス ユジェニー ディナ−プレート26cm
価格:13,608円(税込、送料別)

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Writer


エレガントライフアカデミー代表
原田 章子 Harada Shoko


福岡市に生まれる。福岡雙葉小学校、中学校、高等学校卒業。白百合女子大学文学部、国文学科卒業。

90年代よりテーブルアートを志し、フランス留学。料理学校『コルドン・ブルー』、『リッツ・エスコフィエ』で料理と製菓を学ぶ。公爵夫人マリー・ブランシュ・ドゥ・ブロイユに師事し、フランス食文化史を学ぶ。パリの生花店『コム・オ・ジャルダン』で修業。その後も定期的に渡仏し、同店で研修を受ける。

2015年、母、原田治子逝去に際し、エレガントライフアカデミーの代表に就任。当Blogの執筆も手掛ける。