2016.7.6

ガラスの歴史① 『ガラスの起源とローマングラス』

風がある分、少ししのぎやすい一日でした。

でも夕凪の頃は辛いですね。ご体調いかがでしょうか?

 

さて7月のテーブルコーディネート基礎コース『食卓の美学セミナー』

『ガラスの知識』がテーマです。本日はガラスの歴史についてお話いたします。

ガラスは紀元前3000年頃のメソポタミアやエジプトで生まれたと言われます。





今回は、エレアカ所有のガラス器の一部を展示。

 

起源は諸説あり、ひとつは砂漠を旅する隊商が、夜間暖を取るため火をおこし

翌朝目覚めてみると、焚火の後になにかキラキラと光るものがあった…という説。 

もう一つは地中海沿岸をめぐる交易の民、フェニキア人が食事のために上陸したが、

あいにくかまどを作るために程よい岩がなく、積み荷のソーダの固まりで作り、鍋をかけた。

翌朝かまどの中から何かが流れ出ていたが、触ってみると固かった…と言う説。

そしてもう一つは、鉄を作る際の副産物、という説です。

 

皆様はどの説がお気にめしましたか?現実主義の方は鉄。ロマンチストは砂漠。

学術探求派はソーダが出てくるあたり、フェニキア人でしょうか?

 

しかしガラスの材料は、

珪酸+ソーダ+石灰(ソーダ石灰ガラス)あるいは珪酸+カリ+石灰(カリ石灰ガラス)。

これらが偶然そろったとしても、普通の焚火や煮炊きで、

ガラスが溶けるといわれる摂氏600~700℃になるとは考えにくく、

やはり炉を使う鉄が有力かな…?

母とわたくしはフェニキア人がだんぜん好きですけれどね!





涼し気な和のコーディネート、お気に召して頂けましたか?

 

さて、どのようにして生まれたかは定かでないにしろ、

初期のガラスは不透明でビーズや半貴石のような感じで、穴をあけて装飾品としたり、

タイルとして建物の壁や焼き物に埋め込んだりしていたようです。

 

ローマ時代になるとローマングラスと言われる美しく透明なグラス

広く使われるようになります。

ローマングラスは現在でも、紀元前に作られたものがイスラエル近郊で発掘されています。



https://www.e-kotto.com/topics/20150313e-kotto-new.html




なぜ割れやすいガラスが、何千年も残っていたのかと言いますと、

ローマングラスは当時としてもとても高価なもので、

貴族や裕福な人物が亡くなると、ローマンガラスに香油を入れ、

何重にも布で巻いて、他の衣類や装飾品などと一緒に埋葬されたからです。

 

しかし発掘されたもローマングラスは、埋められた時と同じではありませんでした。

周りに付着した砂が熱と年月によって『銀化』という作用をおこし、

虹色の輝く銀色に変化していたのです。

主人と共に眠りについた美しいガラスが、数千年の時を経て眠りから覚めたとき、

以前よりいっそう美しい姿に変身をとげていたなんて、

やはりガラスってロマンチックですね!

 

ガラスは歴史が古いので、まだまだ興味深いお話しがたくさんありますが、

それはまた次の機会に…。



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Writer


エレガントライフアカデミー代表
原田 章子 Harada Shoko


福岡市に生まれる。福岡雙葉小学校、中学校、高等学校卒業。白百合女子大学文学部、国文学科卒業。

90年代よりテーブルアートを志し、フランス留学。料理学校『コルドン・ブルー』、『リッツ・エスコフィエ』で料理と製菓を学ぶ。公爵夫人マリー・ブランシュ・ドゥ・ブロイユに師事し、フランス食文化史を学ぶ。パリの生花店『コム・オ・ジャルダン』で修業。その後も定期的に渡仏し、同店で研修を受ける。

2015年、母、原田治子逝去に際し、エレガントライフアカデミーの代表に就任。当Blogの執筆も手掛ける。