2016.9.14

シルバーカトラリーの素材  『テーブルコーディネート教室』

パラリンピックも連日のメダルラッシュ、頼もしいですね!朝刊を開くのが楽しみです。

素晴らしい記録と共に伝えられる障害を得たきっかけと

それを乗り越えていく過程のエピソード、

ドラマという点ではオリンピック以上の感動があるのではないでしょうか。

けれども、初めは気になる障害ですが、見ているうちに段々と意識しなくなり、

最後にはオリンピック同様、選手の勇気や闘志、あきらめない心を

賞賛したい気持ちになるのです。

障害はハンディではない、個性だと改めて教えてくれる、

パラリンピックは本当に素敵ですね。





さて、9月のテーブルコーディネート教室『食卓の美学セミナー』

カトラリーの知識がテーマです。本日はカトラリーの素材についてお話ししたいと思います。

 

一般にシルバーと言われるカトラリーや銀食器は、

銅と亜鉛、ニッケルの合金に銀メッキを施したもので、

正式には洋白別名、ニッケルシルバーと言われるもので、E.P.N.Sと表示されます。

メッキの厚さはミクロンという単位であらわされ、

銀器で有名なクリストフル(フランス)は40ミクロンの厚さのメッキを施してあります。





エレアカがお教室でよく使用しますのはイギリスのへスター・ベイツマンの38ミクロン。

クリストフル並みの質の高さで少し華奢でエレガント。使いやすいです。

 

1ミクロンは1/1000㎜

西洋人が毎日使用して一年間に一ミクロンはげるかはげないかと言われますので、

箸を使用することも多い私たち日本人でしたら、

40ミクロンあればゆうに100年は地金が見えることなく、

美しいシルバーを楽しむことができるわけです。

お子様はもちろん、お孫様にまでご利用いただけますね。

 

カトラリーの素材として他には、スターリングシルバーがあります。

こちらはメッキではなく、全体が92.5%の純度の銀で出来ており、純銀製と言われます。

“スターリングシルバー”と聞いて思い出さずにはいられないのが、

ビクトル・ユーゴーの『レ・ミゼラブル』



http://blogs.yahoo.co.jp/riverston/12203579.html

映画では1998年のリーアム・ニーソン主演が私のベスト。

 

一切れのパンを盗んだために19年間、強制労働付きの監獄生活を送ったジャン・バルジャンは、

仮釈放中、一宿一飯の恩に背き、スターリングシルバーのカトラリー6人分を

司教館から盗みます。

逃げる途中に憲兵にとらえられ、連れ戻されたジャン・バルジャンに、司教様は言いました。

「このキャンドルスタンド(同じくスターリングシルバー)も持って行くように言ったのに、

どうして持って行かなかったんだい?」

憲兵が帰った後、司教様はさらに続けました。

「忘れないでください。正直な人間になるためにこの銀器を使うと約束したことを。」

「私の兄弟、ジャン・バルジャン。あなたはもう悪の味方ではなく善の味方です。

あなたの魂を私は買います。暗い考えや、破滅の精神から引き離して、

あなたの魂を神に捧げます。」

『レ・ミゼラブル』はミュージカルにもなっているように、

各章にクライマックスがあり、

登場人物もフォンティーヌ、コゼット、マリウス、ジャベール、…

全員が主役と思える大変ドラマチックな作品。

でもどのシーンより、私は第一部のこの箇所が好きなのです。

 

カトラリーの素材は他に、ステンレスやステンレスにメッキをしたステンレスシルバー、

木製、純金製、金メッキ、貝製、真鍮のものなどがあります。





憧れはスターリングシルバーですが、やはり大変高価ですので、

お勧めしたいのは洋白、E.P.N.Sです。

それでも一本一万円はしますので、家族分揃えるとしたら、

余分なお買い物は避けたいところですよね。

そこで、明日はカトラリーの賢い揃え方をお話ししようと思います。

どうぞお楽しみに!

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Writer


エレガントライフアカデミー代表
原田 章子 Harada Shoko


福岡市に生まれる。福岡雙葉小学校、中学校、高等学校卒業。白百合女子大学文学部、国文学科卒業。

90年代よりテーブルアートを志し、フランス留学。料理学校『コルドン・ブルー』、『リッツ・エスコフィエ』で料理と製菓を学ぶ。公爵夫人マリー・ブランシュ・ドゥ・ブロイユに師事し、フランス食文化史を学ぶ。パリの生花店『コム・オ・ジャルダン』で修業。その後も定期的に渡仏し、同店で研修を受ける。

2015年、母、原田治子逝去に際し、エレガントライフアカデミーの代表に就任。当Blogの執筆も手掛ける。