風薫る5月のさわやかな一日、皆様お気持ちよくお過ごしになったことと存じます。
ガーデンとスズランの夢中になってしばらく忘れておりましたが、
今月のテーブルコーディネート基礎コース『食卓の美学セミナー』は色彩学がテーマ。
本日はトーンと面積比(配色の割合)について、お話ししたいと存じます。
まず色は赤、青、黄色…といった①色相(色合い)と②明度(明るさ加減)と
③彩度(鮮やかさ加減)の三つの属性からなっています。
そして明度と彩度はトーン(調子)を構成する要素であり、
トーンは次の4つに大きく分けることが出来ます。
派手……ビビットトーン、ストロングトーン
明るい…ブライトトーン、ペールトーン、ベリーペールトーン
地味……グレイッシュ・トーン、ライトトーン、グレイッシュトーン、ダルトーン
暗い……ディープトーン、ダークトーン、ダークグレイッシュトーン
同じ赤でも派手な調子、明るい調子、地味な調子がありますね。それがトーンです。
↑例えばこちら、紫と黄色という補色の組み合わせで、トーンはストロングトーン。
かなり強いインパクトがあります。
色は遠くからでも人を惹きつける力がありますので、
展示会用に”魅せるテーブルコーディネート”として作りました。
実際にお食事をするテーブルとしては個性が強すぎるかもしれませんね。
↑ではこちらはどうでしょう?同じ黄色と紫の補色調和です。トーンはブライトーンです。
お客様を家庭に招きし、お寛ぎいただくために作ったテーブル。優しく清潔感のある感じ。
随分と印象が違いますね。
印象の違いは、配色の面積比にも関係します。↑は黄色(クリーム色)がファーストカラーで、
黄:紫は7:1。(残る2/10は白)
ひとつ前の写真はストロングトーンの紫が大部分を占めています。
黄:紫:は1:7(残る2/10は黒)
面積比の変化としてもう一例。↓
↑クリスマスのテーブルコーディネート。
ダークグリーンがファーストカラーで白がセカンドカラー、赤がサードカラーで、7:2:1。
↑先月4月にご披露したテーブルコーディネート。
クリスマスの時と同じプレート、ナフキンを使っていますが、
ダークグリーンの割合がぐっと少なく、白と透明がかなり多い。さわやかな印象です。
白と透明:赤:緑は7:2:1。
色合い『色相』、色の調子『トーン』、そして色の組み合わせ『配色』、
さらに『面積比』!それらに少し変化を加えることよって
全く違った感じを受けたり、与えたりすることがあります。
色というものはとても面白いものだと思いませんか?
どうぞ皆様も、日常生活の中でこれらのことを少しだけ意識して、
カラーセンスをアップしてくださいね。
エレガントライフアカデミー代表
原田 章子 Harada Shoko
福岡市に生まれる。福岡雙葉小学校、中学校、高等学校卒業。白百合女子大学文学部、国文学科卒業。
90年代よりテーブルアートを志し、フランス留学。料理学校『コルドン・ブルー』、『リッツ・エスコフィエ』で料理と製菓を学ぶ。公爵夫人マリー・ブランシュ・ドゥ・ブロイユに師事し、フランス食文化史を学ぶ。パリの生花店『コム・オ・ジャルダン』で修業。その後も定期的に渡仏し、同店で研修を受ける。
2015年、母、原田治子逝去に際し、エレガントライフアカデミーの代表に就任。当Blogの執筆も手掛ける。