2016.6.12

ファブリックと麻のこと。そしてナフキンワークをする意味とは?

昨日の蒸し暑さはどこへやら、涼やかな日曜日でした。

暑いよりは雨が好きです。

 

さて、テーブルコーディネート基礎コース『食卓の美学セミナー』のリポート途中で、

ニコライ・バーグマン展覧会6月のお料理教室のお話しになりましたが、

本日は再び戻って、お教室風景をお見せしますね。





6月のテーマは『リネンの知識』。

テーブルクロスやナフキンなど、テーブルコーディネートに使用する布のことを、

麻でなくとも、テーブルリネンと言います。

 

↑のテーブルクロスはインテリア用の布(ファブリック)でオーダーしたテーブルクロス。

服飾用の布は90㎝幅ですが、ファブリックは140cmあることが多く、

真ん中で継ぐことなくテーブルクロスに仕立てることが出来ます。

ナフキンもテーブルクロスの色から一色取って、別布でオーダーしました。





こちらにもファブリックで作ったテーブルクロスを展示。

服地より厚手で、色柄もダイナミック。

防水加工を施されているものも多く、テーブルクロスにぴったりですね。

テーブルクロスやトップクロス、ナフキンやテーブルマット、カクテルナフキン、ドイリー…

テーブルリネンの種類などをご説明したあと、今月の実習、ナフキンワークです。





まずはしわがついていないうちに、『ファン(扇)』です。

優美で大人っぽい。和にも洋にも合いますね。





ナフキンワークは麻のナフキンでないと綺麗に出来ません。

麻で正方形、これが良いナフキンの条件。

なぜ麻かというと麻は乾きやすく、黴菌が繁殖しにくい。よって清潔というわけです。

テーブルコーディネートに大切なことの第一は『清潔さ』なのです。





↑は『タワー』というたたみ方のアレンジで、『ハート』

バレンタインデーに赤いナフキンで二人分したいですね♡

今月のテーブルコーディネートのナフキンも『タワー』のアレンジです。





  1. お次は『コックスコーム(ニワトリの鶏冠)』

花びらみたいに可愛らしいので大好きなたたみ方。ひな祭りなどに良いですね。





↑こちらは『カトラリーホルダー』というたたみ方。

ブッフェパーティーなどで、ナフキンとお箸、フォークを

ワン・アクションで取っていただけます。たたみ方は近いうちに公開しますね。





『キャンドル』というたたみ方。このナフキンワークには逸話があります。

オランダのベアトリクス女王が即位なさったとき、商工会議所が話し合って

国民としてお祝いの気持ちを表現しようということになり、このたたみ方を作りました。

その後も即位記念日は必ず、街中のレストラン、カフェ、バー…すべての飲食店は

その日一日女王に敬意を表し、このたたみ方で客を迎え、客も女王を祝福します。

 

さて、ナフキンワーク、ナフキンフォールディングは何のためにするのでしょうか?

ホテルやレストランが自分の格の高さを表すため?

あるいは”お洒落ぽく”とか、”気取った食事”ということを表すため?

いいえ、相手を大切に思う気持ちを込めるためです。

『いらしてくださって、有難う。』

『お友達でいてくれて、有難う。』

『今日もあなたがあなたで居てくれて、有難う。』





私は綺麗に整えられたナフキンをほどいて、ひざに置くとき、

そこに込められた気持ちが伝わってきて、いつも胸がキュンとなります。

 

皆様もナフキンワークでご自分の食卓に『気持ち』を込めてみてはいかがでしょうか?

きっといつもより、もっと愛が伝わると思いますよ。

 

テーブルコーディネート基礎コース『食卓の美学セミナー』は月一回、一回2時間。

日曜日と火曜日のクラスあり。

Category

Writer


エレガントライフアカデミー代表
原田 章子 Harada Shoko


福岡市に生まれる。福岡雙葉小学校、中学校、高等学校卒業。白百合女子大学文学部、国文学科卒業。

90年代よりテーブルアートを志し、フランス留学。料理学校『コルドン・ブルー』、『リッツ・エスコフィエ』で料理と製菓を学ぶ。公爵夫人マリー・ブランシュ・ドゥ・ブロイユに師事し、フランス食文化史を学ぶ。パリの生花店『コム・オ・ジャルダン』で修業。その後も定期的に渡仏し、同店で研修を受ける。

2015年、母、原田治子逝去に際し、エレガントライフアカデミーの代表に就任。当Blogの執筆も手掛ける。