私たちはなぜか「嫌なことに気をとられる」という習性があります。
人生を円グラフにしてみれば95%は「まあまあ良い」から「大変良い」で、「嫌」は5%ぐらいなのではないでしょうか?それなのに「あんな言い方、しなくても…」とか「あの表情、ホントに嫌!」とか、気が付けば何時間も思い続け、どうかすると何年も前のことまで引っ張り出してムカついていることすらあります。
でももし三年後にこの世を去るとしたら、どうでしょうか?病気か事故か、原因はわかりません。でも三年後にこの世を去らなくてはならないとしたら、「嫌」なことを考えている時間なんて一秒もない、と思うでしょう。
青い空、澄んだ空気、清らかな水音、小鳥のさえずり、木の葉の舞い…自然はなんと美しく、優しさに満ちていることか!通勤、通学途中のサラリーマンや高校生、行きかう自動車、自転車のベルの音…何気ない生活の一コマ一コマすべてを愛おしく感じるのではないでしょうか?
同時に「このまま人生を終えて良いのか?」「やり残したことがあるのではないか?」「自分の可能性はもっとあるのではないか?」と思うはずです。
それはいつか出来たら…とずっと思っていたことに挑戦するチャンスかもしれません。たとえば革職人、ファッションデザイナー、絵本作家…。3か月では足りないかもしれない、でも3年あれば実を結ぶのは十分可能です。
私たちは人生がずっと続くという想定で暮らしています。でも本当は明日があるかどうかの確証すらありません。そう考えれば一秒も無駄に出来ないはずです。
嫌いな人ではなく、大切な人のために時間を費やしてください。やりたくないことではなくやりたいことにエネルギーを使ってください。これが最期の食事かも、これが最期の仕事かも、これが最期の会話かもしれないのです。
人生をとことん味わい尽くしましょう。すべてのことをひとつひとつ丁寧にして、後悔のない一日を送るのです。最期の日に「十分やり切りました!」と胸を張って言えるように。
エレガントライフアカデミー代表
原田 章子 Harada Shoko
福岡市に生まれる。福岡雙葉小学校、中学校、高等学校卒業。白百合女子大学文学部、国文学科卒業。
90年代よりテーブルアートを志し、フランス留学。料理学校『コルドン・ブルー』、『リッツ・エスコフィエ』で料理と製菓を学ぶ。公爵夫人マリー・ブランシュ・ドゥ・ブロイユに師事し、フランス食文化史を学ぶ。パリの生花店『コム・オ・ジャルダン』で修業。その後も定期的に渡仏し、同店で研修を受ける。
2015年、母、原田治子逝去に際し、エレガントライフアカデミーの代表に就任。当Blogの執筆も手掛ける。