9月の連休は雨になりました。
被災地支援の観光やボランティアにお出かけのご予定もあったかと思います。
残念ですが、住民も支援者も安全第一!
地盤が緩みがちですので、今後も十分な注意をなさってくださいませね。
さてテーブルコーディネート基礎コース『食卓の美学セミナー』の
9月のテーマはカトラリーの知識。
本日はサービス用のカトラリーについてお話ししようと存じます。
個人用のカトラリーよりずっと種類が多いのがサービス用カトラリー。
なんと料理の数だけあるのですから。
中でも家庭でのもてなしで、お役立ちと思うものをご紹介しますね。
左の二本は、シェル(貝)の形が美しいサービス用スプーン。
グラタンなどをサービスするのに適しています。
その右はパンをお取りするのに程よいトング、その右はサラダなど。
一番左はカットワークの入ったスプーン。
フルーツやケーキにお砂糖をふりかけるために、透かし模様のような穴が開いています。
その隣は平たいお皿に盛られたカナッペなどをサーブするのに便利。
その右はケーキサーバーです。
ケーキサーバーの右はサンドイッチ用トング。
アフタヌーンティー用の薄いサンドイッチを優雅にサービスして。
その右はトングとして挟むことも、サーバーとしてすくうこともできるもの。
タルト焼き菓子などに。
一番左と左から三番目はスコーンやペストリーなどを挟みやすいトング。
左から二番目は、アスパラガス専用トングです。
アスパラガス…そんなに食べる?と思いますが、
春の味覚として初物をたっぷり供すのが、ヨーロッパでは憧れのおもてなし。
アスパラガス専用プレートもたくさんあります。日本のマツタケ感覚でしょうか?
一番右のハサミ状のもの、何だとお思いになりますか?
お料理をサービスするものではありません。
キャンドルの糸ごと挟んで火を消す、「キャンドルスナッファー」。
ベル型のものはよく見ますが、こちらは珍しいのでお目にかけました。
上段左はスライスレモンを、右は角砂糖をとるのに程よく、(最近角砂糖見ませんね。)
下は氷をオンザロックグラスに入れるのに便利。
これらのサービス用カトラリー、本当に必要なの?とお思いになる方も
いらっしゃることと存じます。
確かにレストランのように調理人や給仕人がいれば必要ないのですが、
家庭では主婦がそれらの役目をしながら、
ホステスとしてテーブルの会話もリードしなければなりません。
そこで、お料理は大皿でダイニングまで運び、
ゲストの前でつぎ分ける方法がとられるわけです。
そうしなければ、主婦はキッチンとダイニングを常に行ったり来たりして、
会話を楽しむどころか、一緒に食事をすることさえできません。
ゲストの前ですので、背を丸めて箸や手を使って盛り付けるよりも、
銀器のサーバーで盛りけた方がずっとスマートで素敵ですし、
お料理も大皿に盛り付けた方が、豪華に見えます。
また大人数の招くブッフェパーティーなどの時には、
ゲストは片手でお皿を持って、片手でお料理を盛るわけですから、
各お料理に適した、使いやすく美しいトングやサーバーをご用意して、
ストレスなくおとりいただきたいものですよね。
とは言え、シルバーのサーバー類は今の日本では中々手に入れることができません。
そこでお勧めは、アイティークショップにお出かけいただくこと。
ビクトリアンやエドワーディアンの、優雅でエレガントなサーバー類もありますし、
アールデコ調のものは今見てもとてもモダンで、現代の生活にぴったりです。
アンティークの家具やマイセン人形などにくらべ、ずっと求め安く、
すぐに利用できるシルバーのおもてなし用サーバー、
少しずつお集めになってみてはいかがでしょうか?
エレガントライフアカデミー代表
原田 章子 Harada Shoko
福岡市に生まれる。福岡雙葉小学校、中学校、高等学校卒業。白百合女子大学文学部、国文学科卒業。
90年代よりテーブルアートを志し、フランス留学。料理学校『コルドン・ブルー』、『リッツ・エスコフィエ』で料理と製菓を学ぶ。公爵夫人マリー・ブランシュ・ドゥ・ブロイユに師事し、フランス食文化史を学ぶ。パリの生花店『コム・オ・ジャルダン』で修業。その後も定期的に渡仏し、同店で研修を受ける。
2015年、母、原田治子逝去に際し、エレガントライフアカデミーの代表に就任。当Blogの執筆も手掛ける。