2016.6.28

原田治子 最期の日々 ②  『天国にゴール!』

エレガントライフアカデミーHPでお知らせしております通り、

6月30日(木)10時~高宮カトリック教会で、母、原田治子の一周忌ミサを行います。

どなたでも参列いただけます。またミサ後は自宅にてブッフェパーティーを開催します。

こちらはエレガントライフアカデミー会員(現役生徒または卒業生)で、

ミサにご参列頂きました方はどなたでもご参加いただけますが、

定員が10名ほどとなっております。参加ご希望の方はお早めにお声掛けください。





・・・・・・・・・・・『原田治子最期の日々』よりつづく・・・・・

そのように平和な3週間がすぎ、リハビリの先生との約束が1週間後に迫ったある日、

自宅でくつろいでいるとき気分が悪くなり、今度は心臓発作で再入院

容態は初めから良くなく、お医者様は苦いお顔をなさっています。

呼吸器を付けた母が一生懸命私に何かを訴えようとします。耳を近づけて聞くと、

『先生に謝っておいて。』

リハビリの先生とのお約束が守れそうもないことを心配したのです。

…まったくもう、自分がこのような状態なのに

『うん。電話したよ。退院したらまた連絡しますって言っておいた。』

『良かった。』

けれども容態はどんどん悪化し、ああ、なんということでしょう!

再入院してわずか10日で天国へ召されてしまったのです。

 

どんな困難がやってきてもしっかり乗り越え、逆にプラスに持って行く…そのような

母の人生を見てきたわたくしには、この成り行きがどうしても理解できませんでした。

あんなにリハビリ頑張ったのに…!あんなに喜んで退院したのに…!

リハビリで姿勢が良くなり背も伸びたし、お肌も髪も前よりも綺麗になって…。

言葉と歩行に少しの障害が残ったけれど、十分意思疎通できるし、車いすも必要ない。

母は自宅で養生しながら暮らし、私はお教室をして、

『今日は先生のお具合が良いので、お教室にご参加になります。拍手でお迎えください!』

…そんなふうにあと5年10年一緒に暮らせたはずなのに…。

どうして…?入院してたった4ヶ月で死んでしまうなんて…。





そんな2015年夏…。テレビでは世界陸上の映像がくり返し流れていました。

色々な国の、色々な肌の色の選手たちが、一心不乱に走り、

両手を広げてゴール!…ゴール!…ゴール!

その時急に、ゴールする選手と母の姿がなぜか重なったのです。

 

「そうか、母は死んでしまったのではなくて、天国にゴールしたんだ…!」

 

母は運動神経が良いことが自慢で、

小学生の頃いつもリレーの選手に選ばれていたことを、よく話してくれました。

『100メートル走でもね、ゴールを100メートル先と思ったらダメなのよ。

150メートル先を目指さないとね、最後に失速してしまうのよ。』

 

母のゴールは2015年6月24日に決まっていたのでしょう。

でもゴール直前で失速することを嫌って、5年先10年先を目指していたのかもしれません。

だからこそ最後の最後まであんなに綺麗で、

周りから見ればまだまだ元気にやっていけそうに見えたのでしょう。

そういえば、『美容もお仕事もいつも10年後を目指して励むのよ。』が母の口癖でした…。





毎度親ばか…じゃなくて、子ばかで恐縮ですが、母の人生は素晴らしかったと思います。

とくに『愛』と『感謝』に満ちたゴールはとても素晴らしいものでした。

それを間近に見ることが出来たわたくしは幸せです。

今は天国で花束をたくさんもらって、誇らしそうに微笑んでいるに違いありません。

 

『愛』と『感謝』と『許し』…これは母がお仕事を通して皆様に伝えたかったこと。

『愛』と『感謝』は母が体現したので、

わたくしには『許し』を宿題として置いていったのかもしれません。

一番難しいのですけれどね。

 

皆様に支えられなんとか1年生き延びることが出来ました…。

目の前のことをやることが精いっぱいで、とても5年後10年後のことなど

考えられない私なのですが、母がどんなに素晴らしい人だったのか、

母が残したものがどんなに価値のあるものだったのか、

お伝えすることが使命かな、と存じております。

 

全く頼りなくふつつかなわたくしなのですが、精いっぱい励んでまいりますので、

どうぞ今後ともよろしくご支援お願いいたします。

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Writer


エレガントライフアカデミー代表
原田 章子 Harada Shoko


福岡市に生まれる。福岡雙葉小学校、中学校、高等学校卒業。白百合女子大学文学部、国文学科卒業。

90年代よりテーブルアートを志し、フランス留学。料理学校『コルドン・ブルー』、『リッツ・エスコフィエ』で料理と製菓を学ぶ。公爵夫人マリー・ブランシュ・ドゥ・ブロイユに師事し、フランス食文化史を学ぶ。パリの生花店『コム・オ・ジャルダン』で修業。その後も定期的に渡仏し、同店で研修を受ける。

2015年、母、原田治子逝去に際し、エレガントライフアカデミーの代表に就任。当Blogの執筆も手掛ける。