2016.1.8

原田治子 Story⑩ 炊事に追われる新婚生活。

エレガントライフアカデミー創始者、原田治子の一生の物語です。

バックナンバー①~⑨は『原田治子Story』でお読みいただけます。

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一見スムーズに始まったかにみえた新婚生活でしたが、母にとっては驚きがいっぱい。

「夫が一年中、一日中、家にいる!」





ドイツ留学中の父、原田吉雄。

 

祖父は勤め人だったため、8時に家を出て5時過ぎに帰るというサイクルだったのに、

父はピアニストなので生徒に教えるか自分がさらうかで、朝から晩まで家でピアノを弾きます。

よって、母は朝食、お十時(午前中のおやつ)、昼食、お三時(午後のおやつ)、夕食の

なんと一日5回も食事の支度をすることになりました。

さらに、午後や夕食時には父の音楽仲間が訪ねてくることも多く、

新婚時代の母は一日中キッチンに立っているか、お給仕をしているような状態。

 

しかも父は、末っ子の長男で甘やかされて育ったのに加え、アーティスト気質。

決まった食事時間は一分たりともずれを許さず、

突然訪ねてきた友人のためにも、当然のように母にもてなしを要求する…。





留学から帰って、妻と娘に再会。次女とは初対面。

 

「どうすれば、時間ジャストに食事を出せるかしら?」

「どうすれば、突然のお客様を十分もてなすことができるかしら?」

 

けれどもこれこそが、母がテーブルコーディネート(当時はその言葉すら

知らなかったでしょう…)やもてなし術を追求していくきっかけになったのです。

 

・毎日の食事の支度は、食卓に食器類を並べてから(テーブルセッティングしてから)、

 調理に取り掛かること。

・すべての料理やお菓子のレパートリーについて、調理に何分かかるか、把握しておくこと。

・いつお客様がいらしても、おもてなしができるように

 お客様用の食卓を、家族の食卓とは別に用意しておくこと。

・もてなしのときワゴンを活用すれば、お給仕がずいぶん楽に、そして上手にできる。

 

失敗や挫折を繰り返しながらも、しだいに自分なりの方法を見つけていったのでした。





ようやく父との暮らしになれ、地域の婦人会にも参加できるようになったころ。右端が原田治子。

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Writer


エレガントライフアカデミー代表
原田 章子 Harada Shoko


福岡市に生まれる。福岡雙葉小学校、中学校、高等学校卒業。白百合女子大学文学部、国文学科卒業。

90年代よりテーブルアートを志し、フランス留学。料理学校『コルドン・ブルー』、『リッツ・エスコフィエ』で料理と製菓を学ぶ。公爵夫人マリー・ブランシュ・ドゥ・ブロイユに師事し、フランス食文化史を学ぶ。パリの生花店『コム・オ・ジャルダン』で修業。その後も定期的に渡仏し、同店で研修を受ける。

2015年、母、原田治子逝去に際し、エレガントライフアカデミーの代表に就任。当Blogの執筆も手掛ける。