エレガントライフアカデミー創始者、原田治子の一生の物語です。
バックナンバー①~⑩は『原田治子Story』でお読みいただけます。
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大学で音楽を専攻し、子供にピアノを教えていた母が、ピアニストと結婚したというのは
自然な成り行きとお思いになるかもしれません。
でもこの決断には、一冊の本の影響がありました。それは『チャイコフスキー・愛の書簡』。
結婚後の父、原田吉雄。
「くるみ割り人形」や「白鳥の湖」で知られるロシアの作曲家、チャイコフスキーと
そのパトロン(資金援助者)フォン・メック夫人との書簡集です。
フォン・メック夫人は若くして鉄道王の妻となり、夫の死後は莫大な富を相続。
豊かな音楽的才能に恵まれながら、精神的に極めてデリケートであったチャイコフスキーを
精神的、経済的に支えました。
チャイコフスキーの交響曲第四番は彼女にささげられたと言われていますが、
文通を続けた14年の間、二人が会うことは一度としてありませんでした。
母は闘病中に出会ったこの一冊の本に、とても感銘を受け、
「自分は偉大な音楽家にはなれないけれど、夫人のように、
音楽家を支援することはできるかもしれない。そうできたら、いいな。」
と思うようになっていたのです。
ドイツの留学中の父の写真。
出会ったとき、目の下にクマを作り、痩せて健康そうとは云い難かった父。
でも母は音楽の才能を信じ、「この人を助け、幸せにすることが私の使命。」と結婚を決め、
音楽家の妻として目標を立てます。
①食事と体調管理に気を付けて、健康にする。
②音楽留学させる。
③ソロリサイタルとオーケストラと共演コンチェルトをさせる。
④著書を出版させる。
⑤四年制大学の教授にさせる。
そして見事に、五つの目標すべてを成し遂げることになるのです。
4年生大学の教授になり、夫婦旅行。その頃にはピアノ演奏法の本、数冊を翻訳出版していた。
エレガントライフアカデミー代表
原田 章子 Harada Shoko
福岡市に生まれる。福岡雙葉小学校、中学校、高等学校卒業。白百合女子大学文学部、国文学科卒業。
90年代よりテーブルアートを志し、フランス留学。料理学校『コルドン・ブルー』、『リッツ・エスコフィエ』で料理と製菓を学ぶ。公爵夫人マリー・ブランシュ・ドゥ・ブロイユに師事し、フランス食文化史を学ぶ。パリの生花店『コム・オ・ジャルダン』で修業。その後も定期的に渡仏し、同店で研修を受ける。
2015年、母、原田治子逝去に際し、エレガントライフアカデミーの代表に就任。当Blogの執筆も手掛ける。