日本人のノーベル医学生理学賞受賞は、2年連続だそう!素晴らしいですね。
しかも福岡出身ということで、なんと誇らしいことでしょう。
受賞の研究は『オート・ファジー』、
“細胞が自分自身のたんぱく質を分解して、再利用する仕組み”だそうで、
細胞内を綺麗にする作用や病原菌を排除する免疫の働きにも関わっているとか…。
う~む、自ら自分の一部を壊し、再生に利用する…真理ですね。
パーキンソン病、アルツハイマー病のほか、
がんなど様々な病気の解明や治療法の開発にも貢献すると期待されているとのこと。
日本の研究が世界を…いえ、人類を病の苦しみから救うかもしれないわけです。
「おめでとう」ではありませんね。大隅教授、有難う!!
さて、今月のエレアカのテーブルコーディネート教室『食卓の美学セミナー』は、
和食のマナーがテーマです。
和食と一口に言っても、会席料理、本膳料理、精進料理などがあり、背景も違います。
本日は日本の歴史から、それぞれの成り立ちをお話ししながら
日本の食文化とはどのようなものかご説明したいと思います。
古くは古代2000年以上前から、穀類を中心に魚介、海草、野菜、鳥獣肉類を
土器で煮たり、焼いたりしていました。
奈良・飛鳥時代を経て、平安時代に入り、唐との交流が盛んになった結果、
古来のものに加えて様々な調理法が行われ、日本料理の基礎となるものが出来ました。
http://kyotopi.jp/articles/jkBZc
鎌倉時代に入り、平安時代の公家に代わって武士が支配する社会になり、
質実剛健を第一とした、質素で素朴な料理になり、仏教に伴う精進料理が発達しました。
この時代、武士が戦場に赴く前に食したものが、懐石料理の基礎となります。
室町時代に入り、幕府は京都に置かれ、公家文化が復活して、料理も技巧的になり、
色々な流派が生じ、本膳料理が確立しました。
鎌倉時代の台所 http://www.kikkoman.co.jp/kiifc/tenji/tenji15/soysauce03.html
安土桃山時代に豪華さと侘び、寂びを兼ね備えた文化を築いた武士の時代に
茶道に伴う懐石(茶懐石)の確立で日本料理の発展が進んみました。
江戸時代、元禄の頃には酒宴向きの料理として本膳料理を簡素化した会席料理が現れます。
俳人たちが集まって句会を催した後に、お酒とお料理と自由な会話を楽しんだのが始まりで、
その頃から町中に料理屋が出現し、徐々に『料理茶屋』とよばれる高級店化していきました。
https://www.shinnichiya.com/5698
明治以降、文明開化と共に西洋料理が入ってきて、日本人の食文化に大きな影響を与え、
自由で食味本位の趣向になっていきました。
いかがでしたでしょうか?日本古来のものが中国の影響をうけ、
さらに独自の発展をとげて今日の日本料理となった様子がお分かりいただけたかと存じます。
けれども、会席料理、本膳料理、精進料理、懐石料理…具体的にどう違うの?の疑問が残りますよね。
明日は、そのあたりのご説明をさせていただきます。お楽しみに。
エレガントライフアカデミー代表
原田 章子 Harada Shoko
福岡市に生まれる。福岡雙葉小学校、中学校、高等学校卒業。白百合女子大学文学部、国文学科卒業。
90年代よりテーブルアートを志し、フランス留学。料理学校『コルドン・ブルー』、『リッツ・エスコフィエ』で料理と製菓を学ぶ。公爵夫人マリー・ブランシュ・ドゥ・ブロイユに師事し、フランス食文化史を学ぶ。パリの生花店『コム・オ・ジャルダン』で修業。その後も定期的に渡仏し、同店で研修を受ける。
2015年、母、原田治子逝去に際し、エレガントライフアカデミーの代表に就任。当Blogの執筆も手掛ける。