最大級の衝撃と動揺が日本中を包んだあの日から、丸6年。
ずっと続くかと思われる日常も、いつなくなるかわからない…ということを
わたくしたちに教えてくれた日でもあります。
次があるかわからない、今日が最後かもしれないのだから、
いつかと言わずに今日、出来ることは全部する。
そのうちにではなく今、すべきことはすべてする。
7年目の始まりに、そのような決心を新たにして生きていきましょう。
何をすべきで何をすべきでないか、いつも良心に尋ねながら…。
テーブルコーディネート教室『食卓の美学セミナー』の3月のテーマは和食器の知識でした。
本日は和食器選びのポイントについてお話ししたいと思います。
ご自分の手持ちの食器の傾向を知り、ウィークポイントを埋めるように
新たな器をお求めになると良い…というのは昨日お話しした通り。
でも持ってないものなら、なんでも良いかといえばそういうものでもありません。
わたくしは『これ、素敵だな。』と思ってもすぐ買わずに、
『何を盛ろうかな?』と考えてみるようにしています。
じっと見て、ぱぱっと3品ぐらい思いつけば、その器は
頼りになるパートナーとして、ずっと長くわたくしの食卓づくりを支えてくれます。
例えばこちらの↑器。高台付ひらひら皿ですが、
若竹煮を盛ることもあるし、肉じゃがを盛ることもある。お刺身も盛りますし、
柚子のシャーベットやカットフルーツの器にすることもあります。
またこちら↑の伊万里焼の割り山椒には、
春菊のお浸しや、切り干し大根の煮物、小さめにつくったがめ煮などを盛りますが、
きゅうりの酢の物、きざみ山芋の梅和えなども良いでしょう。
またこちら↑の唐津焼の三島手(みしまで)は、桜餅などの和菓子のお皿としてよく使いますが、
ほうれん草のお浸しやつくしの卵とじ、ゼンマイの煮ものなどを盛ると
とても新鮮な気分で食べることが出来ます。
つまり需要頻度が十分あるかどうかも、購入の重要なポイントだということですね。
もちろん迎春用品など、年に一度しか使わないものがあっても良いのですが、
○○用の器ばかりでは、いくら場所があっても足りません。
かといって、万能に使えるようにと、白い丸いお皿の大中小だけでは、いつも
代り映えのしない食卓に家族ばかりか揃えた本人も、げんなりしてくるに決まっています。
同じお料理が新鮮に見える、美味しく感じられる…というもの器の力。
器に声に耳を傾けて、いろいろな食器にいろいろな料理を持ってみましょう。
きっと食事の支度が楽しくなり、ご家族も喜んで召し上がってくださいますよ。
エレガントライフアカデミー代表
原田 章子 Harada Shoko
福岡市に生まれる。福岡雙葉小学校、中学校、高等学校卒業。白百合女子大学文学部、国文学科卒業。
90年代よりテーブルアートを志し、フランス留学。料理学校『コルドン・ブルー』、『リッツ・エスコフィエ』で料理と製菓を学ぶ。公爵夫人マリー・ブランシュ・ドゥ・ブロイユに師事し、フランス食文化史を学ぶ。パリの生花店『コム・オ・ジャルダン』で修業。その後も定期的に渡仏し、同店で研修を受ける。
2015年、母、原田治子逝去に際し、エレガントライフアカデミーの代表に就任。当Blogの執筆も手掛ける。