台風一過、さわやかな秋晴れの一日となりましたね。皆様ご無事でいらっしゃいますでしょうか?
「来るぞ、来るぞ!」と数日前から脅されていた割に、わたくしの住む地域はたいした雨風もなく…。
いいえ、警戒するに越したことはないですね。直撃した時、暴風雨の中では身動き取れませんから。
さてテーブルコーディネート教室『食卓の美学セミナー』の10月は、
和食のマナーがテーマということで、昨日は日本料理の歴史をお話ししました。
本日は本膳料理、会席料理、精進料理など、主な日本料理の形式をご説明したいと思います。
鎌倉から室町時代にかけて、貴族、武家社会で格式ばった饗応料理として、
また冠婚葬祭のような場合にひとつの儀式として用いられ、現代の日本料理の基本といわれています。
簡素な一汁三菜(ひとつの汁と三つのお菜、向付、煮物、焼き物)から、
ニ汁五菜、三汁七菜など豪華なものまであり、また、今の会席のように一品ずつ出されるのではなく、
すべての膳が一度に並べられました。
http://jtcl.co.jp/dictionary/honzen-ryouri/
お酒と会話を楽しむ自由な会食の形で、現代最も一般的な日本料理。
儀式や形式よりも食味を第一に考え、くつろいでいただく料理で、献立も自由に組み立てられます。
お酒が注がれ、最後にご飯で締めくくられます。
https://kinarino.jp/cat4-グルメ/12452-おうちでも楽しめる。大人女子なら知っておきたい会席料理のコト
茶会の目的である濃茶を美味しくいただくために、形式を重んじる茶の湯の軽い食事。
海の幸、山の幸の最も美味しい素材を吟味して滋味あふれる料理に仕上げたもてなし料理。
献立は茶事の趣向にふさわしいよう整えられ、器、部屋のしつらえ、花など総合的な調和が重んじられます。
懐石の由来は昔、禅の修行中のお坊さんが、空腹を紛らわせるため
温めた石を懐に入れていたというエピソードからきています。
(修行中は一汁一菜で朝と昼の二度の食事が原則でした。)
生物を使わない寺院風の饗応料理。鎌倉時代に道元禅師によって形式が整えられました。
本来は粗食を第一にしたもので酒はつけないものでしたが、次第に品数も多く豪華になっていきました。
現代では法事の席などで出されることがあります。
http://www.seiganji.org/
主な日本料理の形式をお話ししました。いかがでしたでしょうか?
複雑に感じますが、わたくしどもがホテルの日本料理店などでいただくのは会席料理、
お茶時で頂戴するのは懐石料理、
昔お殿様が召し上がっていた本膳料理は、今でも城下町などで再現料理をいただくことが出来ます。
そしてお寺などで供され、肉魚卵など生もの抜きなのが、精進料理…と思っていただけば良いでしょう。
10月16日は和食のマナーのお食事会をグランドハイアット福岡『なだ万』でとりおこないます。
エレアカ会員(現役受講生、卒業生)でしたら、どなたでもご参加いただけますので、
どうぞふるってご参加くださいね。
エレガントライフアカデミー代表
原田 章子 Harada Shoko
福岡市に生まれる。福岡雙葉小学校、中学校、高等学校卒業。白百合女子大学文学部、国文学科卒業。
90年代よりテーブルアートを志し、フランス留学。料理学校『コルドン・ブルー』、『リッツ・エスコフィエ』で料理と製菓を学ぶ。公爵夫人マリー・ブランシュ・ドゥ・ブロイユに師事し、フランス食文化史を学ぶ。パリの生花店『コム・オ・ジャルダン』で修業。その後も定期的に渡仏し、同店で研修を受ける。
2015年、母、原田治子逝去に際し、エレガントライフアカデミーの代表に就任。当Blogの執筆も手掛ける。