2016.2.7

“英国貴族気分でティータイム!” 『アフタヌーンティー』のひらき方。

Category :

暦の上では立春を過ぎましたが、まだまだ冷えますね。紅茶の美味しい季節です。

でも美味しいからというだけでなく、お紅茶が好きという方の多くは、

紅茶文化が育まれた背景、英国文化にもご興味があるのではないでしょうか?

本日は英国紅茶文化の極みと言われる『アフタヌーンティー』についてお話しします。




アフタヌーンティーとは

午後に紅茶を飲めば、それでアフタヌーンティーかといえば少し違います。

本来は社交パーティーの場であり、友人たちや親密な交際を願う人たちを招いて、

優雅で華麗な雰囲気の中で、上品な会話を交わし、お茶とお菓子を楽しむことです




アフタヌーンティーの生い立ち

屋内でのお茶の楽しみを、『午後のお茶会』として定着させたのは

第7代ベッドフォード公爵夫人アンナ・マリア↓といわれています。





一日二食時代のこと。

朝食から夕食までの間が長く夕方になると「空腹のため意気消沈する」ことから、

これを癒すため午後5時に「お茶とバターつきのパン」を用意させました。

たまたまその時間に訪ねてきた友人たちに振舞ったところ大変喜ばれ、

これが『アフタヌーン・ティー』の始まりとなったといわれます。

現在のベッドフォード公爵家のお屋敷↓。





その後数10年の間に有閑階級の間に広がったこの習慣は午後4時ごろを中心として、

ビクトリア時代から、エドワードⅦ世の時代を通じて普及し、

ジョージⅴ世の王妃クィーン・メアリーの代に完成したといわれます。





主催者と時間

この会を主催し、一切を取り仕切るのは当家の女主人(ホステス)であり、

日本では2:00時頃からの一時間半が適当でしょう。

英国では昔からの「ファイブ・オクロック・ティ」という表現も残りますが、

今は4:00頃からの開始が多いそうです。




場所

もともとは主催する女主人のサロン、応接間で開かれ、背の低いロー・テーブルを用い、

ソファや肘掛け椅子(アーム・チェア)でくつろぎながらのものでした。





日本では住宅事情の問題もあり、リビングまたはダイニングで催すことが一般的です。



紅茶とティーフーズ(茶菓子)

紅茶はブラックティー(ホットティー)を丁寧に入れ、常温のミルク、

薄く切ったレモンスライス、砂糖を用意し、ホステスが客に好みを尋ねながら、

一人一人にサーブします。





ティーフーズは薄く作った①サンドウィッチ2~3種(きゅうりのサンドイッチは必ずいれる)、

②スコーン(ジャムとクロテッドクリームを用意)、③小さなケーキかタルト。この三種が伝統。

ハイティースタンドを用いると一度に運べて便利。アフタヌーンティーらしい雰囲気も出ます。

三段のハイティースタンドを用いるときは、

下段にサンドウィッチ、中段にスコーン、上段にプチフールやタルトを置くのが一般的。

スコーンは温かいものを、あるいはケーキは冷たいものをお出ししたいというときは、

別に運んでも良いでしょう。





エレガントライフアカデミーの紅茶教室は、月一回6回コース。

紅茶の美味しい入れ方だけでなく、紅茶の歴史や英国紅茶文化についても学べ、

最終回には本格アフタヌーンティーを体験していただけます。

 

英国貴族気分で、優雅なアフタヌーンティーをご一緒に楽しみませんか?

Category

Writer


エレガントライフアカデミー代表
原田 章子 Harada Shoko


福岡市に生まれる。福岡雙葉小学校、中学校、高等学校卒業。白百合女子大学文学部、国文学科卒業。

90年代よりテーブルアートを志し、フランス留学。料理学校『コルドン・ブルー』、『リッツ・エスコフィエ』で料理と製菓を学ぶ。公爵夫人マリー・ブランシュ・ドゥ・ブロイユに師事し、フランス食文化史を学ぶ。パリの生花店『コム・オ・ジャルダン』で修業。その後も定期的に渡仏し、同店で研修を受ける。

2015年、母、原田治子逝去に際し、エレガントライフアカデミーの代表に就任。当Blogの執筆も手掛ける。