「許し」についてまず申し上げたいのは、嫌なことを我慢することではないということです。
嫌なことは我慢しないでください。「嫌だからやめて」と言ってもいいし、言わないでそっと離れても良いのです。一度我慢してしまうと、「ああ、この人は何をしてもよい人なんだ」と認識されてますますハラスメントが強化されてしまいますので、できれば早いうちに「NO!」表明した方が良く、その上で相手を恨まないというのが「許し」です。
とは言え、あまりに深く傷ついたのであれば何年たっても「許せない」という思いから抜けられない場合もあるでしょう。そういう時はまずは相手を許そうとするのではなくて、傷ついた自分の気持ちに寄り添ってあげてください。「怒っちゃいけない」「許さなきゃいけない」と思うと自分の中に葛藤が起こってかえって苦しくなるからです。
大切な親友に対するように、自分を十分に慰めてあげた後、「こころの傷を勲章に」でお教えした方法で癒してあげてください。心の傷が癒えていれば、痛みがないので許すことは容易になります。
「許さない」というマイナスのエネルギーは自分の前進、発展を阻んでしまいます。なぜならそれはいつまでも過去の嫌な現実に自分を縛り付けてしまうからです。
でも相手は?相手のことはほおっておいてください。一見自分だけ損をしたように感じられるかもしれませんが、「自分が放ったと同じものを受け取る」という宇宙の法則が必ず働きますので、いずれあなたと同じ感情を味わうことになります。
ですからあなたは相手ではなく自分を、過去ではなく今を見てください。過去の檻から解放されれば、目の前には無限の可能性が広がっていることに気がつくでしょう。自由、豊かさ、愛、調和…。
「許す」ということは自分に対する最大の愛なのです。
エレガントライフアカデミー代表
原田 章子 Harada Shoko
福岡市に生まれる。福岡雙葉小学校、中学校、高等学校卒業。白百合女子大学文学部、国文学科卒業。
90年代よりテーブルアートを志し、フランス留学。料理学校『コルドン・ブルー』、『リッツ・エスコフィエ』で料理と製菓を学ぶ。公爵夫人マリー・ブランシュ・ドゥ・ブロイユに師事し、フランス食文化史を学ぶ。パリの生花店『コム・オ・ジャルダン』で修業。その後も定期的に渡仏し、同店で研修を受ける。
2015年、母、原田治子逝去に際し、エレガントライフアカデミーの代表に就任。当Blogの執筆も手掛ける。