2016.12.16

Xmasとヘロデ王 クリスマス物語②

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今日はとても冷え込みましたね。ダウンコートの襟をたてた人をたくさん見ました。
福岡近郊は今年一番の寒さだったのではないでしょうか?
皆様も暖かくして、風邪をひかないようになさってくださいね。

 

さて昨日に引き続きクリスマスのお話しをさせていただこうと思います。
イエズスキリストが馬小屋でお生まれになったというのは有名なお話しですよね。
でもどうしてそのようなことになったのでしょうか?



キリストの降誕 http://sennan.holy.jp/?p=6199



「人口調査の登録のためでしょう?」「宿屋がなかったんでしょう?」

 

その通り。でもなぜ人口調査が行われたのでしょうか?なぜ部屋が一つもなかったのでしょうか?
本日はそこのところをお話ししたいと思います。

 

イエズス・キリスト誕生はずいぶん以前から予言されていたことでした。

一番初めは旧約聖書の創世記に遡ります。

最初の人間アダムとその伴侶イブが、神の言いつけに背き、楽園を追放(失楽園)になった時のこと…。

神様は厳しい処分を課しながらも、地上で絶え間なく苦労しながら生きなければならない人間を哀れに思い、

いつか必ず救い主を遣わすことをお約束になりました。それがイエズス・キリストです。

その後もユダヤ民族の間では時折、預言者という人が現れて救い主の誕生について予言が与えられました。

いつ頃、どこで、どの家系に、目印は…というような。



ブリューゲル『ヘロデ王の嬰児虐殺』 http://pankisa.ti-da.net/e8697980.html



当時のイスラエル王ヘロデは、救い主の出現で自分の地位が危ぶまれることを怖れ、

生まれるや否や殺してしまおうと考えました。

そこで人口調査を装って、キリストを特定しようとしたのです。

 

人口調査には妻と子供も登録させ、さらに宿屋にも兵隊を配備して

赤ちゃんのいる夫婦がいると、宿帳で名前や出身地を調べます。

もし普通に宿屋に泊まっていれば、キリストはヘロデ王によって幼子のうちに殺されていたでしょう。

つまり神様がヘロデ王から隠すために、馬小屋で生まれさせになったのです。

 

ヘロデ王は救い主が人口調査で見つからず、三人の博士も知らせに寄ってくれなかったことに腹を立て、

2歳以下の嬰児を皆殺しにする命令をだします。

その難からもイエズスと両親の聖家族は、天使の導きによってエジプトへ行くことによって逃れます。



ヘロデ王 http://www.ynet.co.il/articles/0,7340,L-3987466,00.html



エジプトに逃れて数年後、ヘロデ王の死を天使によって知らされた聖家族は、イスラエルに帰ることが出来ました。

 

ヘロデ王の嬰児虐殺はキリスト教の聖書記載にはありますが、現在の歴史家は否定的で、

キリストの誕生をドラマチックに演出するためのレトリックと考えられています。

 

歴史上のヘロデ王はエルサレム大神殿を建設、港や都市を整備しながらも、

妻や息子、親族、家臣を疑心暗鬼から次々に殺した挙句、病に倒れ、

自殺を図るほどの苦しみの末亡くなった…ということです。

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Writer


エレガントライフアカデミー代表
原田 章子 Harada Shoko


福岡市に生まれる。福岡雙葉小学校、中学校、高等学校卒業。白百合女子大学文学部、国文学科卒業。

90年代よりテーブルアートを志し、フランス留学。料理学校『コルドン・ブルー』、『リッツ・エスコフィエ』で料理と製菓を学ぶ。公爵夫人マリー・ブランシュ・ドゥ・ブロイユに師事し、フランス食文化史を学ぶ。パリの生花店『コム・オ・ジャルダン』で修業。その後も定期的に渡仏し、同店で研修を受ける。

2015年、母、原田治子逝去に際し、エレガントライフアカデミーの代表に就任。当Blogの執筆も手掛ける。